『愛莉?』



蓮の声にみんながこちらを向いた。


一瞬驚いた顔をしたけど、直ぐに元通りの顔に戻る。



『蓮君久しぶりだね』

『ご無沙汰してます』

『蓮君大胆だね。彼女をこんなところに連れてくるなんて』

『違いますよ。ただの友達ですから』



私はその場にいたくなくて、一礼をすると急いで近くの階段で下りた。


神様はなんて残酷なんだろう。


会いたいと願ったときには会わせてくれないのに、会いたくないときに会わせるなんて。


それも残酷な現実を突きつけるように。


階段を駆け下りていると、突然腕を掴まれ驚いた。



『ハァハァどうしッッ……泣いてんのか?』

「泣いてなんかないッッ!!」



急いで涙を拭った。


蓮は走って追いかけてきてくれたらしく、少し息が上がっている。