『愛莉ちゃんなんか飲んでいきなよ。外暑かったでしょ?』



樹君がジュースをついで手渡してくれた。


せっかくなので、それを飲んでから帰ることにして、私は控室に上がらせてもらった。


テレビが点いているせいか、なんだか落ち着かなかった。



『なにそわそわしてんだよ』

「…別に」

『誰かに誤解されたりしないか心配してんの?』

「そういうわけじゃないけど…でも、私が来ちゃって良かったの?」

『本当に彼女とかだったらこんなに堂々と来させねぇだろ』

「…それもそうだね」



私はジュースを飲み干し立ち上がった。



「帰るね。ジュースありがと」

『ロビーまで送る』

「いいよ!!子供じゃないんだから大丈夫!!」

『うるせぇ、俺が送るって言ってんだから送らせろ』