私を持ち上げベッドルームへ足を進める。


手馴れているなと思う。


プライベートな話は聞かないが、かなりのプレイボーイだと思う。


ベッドに寝かされ私の上には聖也がいる。



『こんな時に何を考えてるの?』

「…さぁ」

『本当に愛莉は可愛い』



お互い愛はないが、ベッドの中で各々の想いを吐き出すかのように体を重ねた。




聖也と初めて出会ったのは夜の繁華街。


別に働いてたわけじゃなくて、ラブホ帰りに通り道になっていただけ。


その時聖也の方から話しかけてきた。


私が…泣いているように見えたんだって。


それを言われた時には、不覚にも涙を流してしまった。