『俺のこと知らねぇの!?』

「…どっかで会ったことあったっけ??」

『いや…知らないならいい』

「…うん」

『俺は小日向 蓮』



なんともいえない気まずい雰囲気になる。


なんで気まずい雰囲気になったのかさえよく分からない。


でも本当にこの人のこと知らないしな。



ピンポーンッッ♪


気まずい雰囲気を察してくれたかのように、部屋にチャイムが鳴り響いた。


モニターには運送会社らしき人が映っていた。



『俺の荷物が届いた』

「そうなんだ」

『そうなんだじゃねぇよ!!お前の荷物邪魔なんだよッ!!』

「すみません…」



ムカついたけど、置いてもらってる身だから言い返せない。


運送会社の人が私の荷物をついでに部屋まで運んでくれて、何とかこれ以上蓮に文句を言われずに済んだ。



そして、私たちの不思議な同棲生活が始まった。