マンションに帰ると真っ暗で誰もいない。


聖也のマンションを出て、一人暮らしを始めた頃は寂しくてしかたがなかった。


一人でいることが当たり前だったのに、気付けば一人が嫌で寂しいと思うようになっていた。



「ただいまぁ」

『ニャア…』

「アダムはいつも可愛いね」



結局一人が寂しくて猫を飼ってしまった。


オスだから最初はレンって付けようかとも思ったけど、それはさすがにキモイと思って止めた。


好きな人だけど別に彼氏でもなんでもないからね。


だから、私のもうひとつの名前がイヴだからアダムにしてみた。


アダムも自分の名前を気に入っているのか、呼べばすり寄ってくる。


私はアダムを抱き上げ、リビングのソファーに腰を下ろした。