途中で渚と待ち合わせをして大学に向かった。



「大学じゃ愛莉の話で持ち切りだよ」

「そうなの?」

「そりゃそうでしょ。あれだけ有名芸能人の娘だもん」

「ふぅん…」



渚と会うのは久しぶりで、私の話は簡単に済ませて、今度どこかに旅行にでも行こうという話になった。


今まではそんな話になったことなかったのに。



「何…これ………」

「全員愛莉目当てなんじゃないの?」

「え!?親が芸能人なだけで、私一般人みたいなもんでしょ!?」

「そう思ってんのは愛莉だけなんじゃないのぉ~?」



大学の門の周りには取材に来たのか写真を撮りに来たのか、たくさんの人たちでごった返していた。


ここで動揺したらばれると思い、私は渚の横を素知らぬ顔をして歩いた。



『藤堂 誠さんのお嬢さんですよね!?』



一人の男性記者らしき人が私に話しかけると、一斉に目線を注がれた。


ヤバい…。



「愛莉走るよッッ!!」

「う、うん」



渚に腕を掴まれ、私たちは全速力で門を潜り抜けた。


どうやらあの人たちは門の中に入る許可はもらっていないらしい。


聖也の言ってた意味が分かったよ…。


これ、どのくらい続くんだろ…みんな早く他にネタみつけてくれればいいな。