『うちの事務所に入らないか?』

「…えっ!?」



咄嗟にお父さんの顔を見るとニコニコしていた。


ご機嫌の時のお父さんってちょっと可愛いかも。



『愛莉が芸能界に興味があるなら反対はしないよ。友達の事務所なら安心して預けられるしね』

『って事でどうだ?』

「いえ…あの…せっかくなんですけどすみません」



上川さんに頭を下げ断っていると、ツカツカとヒールの音が近付いてきて、いきなり誰かに肩に手を置かれた。



「上川社長お久しぶりです。残念ですが、愛莉は私のですので諦めて下さい」



横を見るとドレスを身にまとっているせいか、いつもより妖艶さを醸し出している秋元社長が立っていた。


てか、私のって………。



「…何でいるの?」

「それはこっちの台詞よ。こういう場に来るなら連絡くらいしなさいよね」



笑顔が怖い……。