私は…お父さんとお母さんの娘でいていいの?


楓君の妹でいていいの?


涙が零れ、私は恥ずかしくてお父さんに背を向けた。



「私…みんなが思ってる程…良い子じゃないよ?」

『あぁ』

「ワガママ…だよ?」

『あぁ』

「幻滅ッッさせッッちゃうか、もッッ…だよ!?」

『どんな愛莉でも私たちは愛しているよ』

「ッッ…」



落ち着かせようと私の背中を優しく叩いてくれる。


お父さんの温もりが伝わってくる。



『せっかくの綺麗な顔が台無しだよ』



お父さんは微笑みながらポケットからハンカチを出した。



「ありがとう…お父さん………」

『どういたしまして』



ハンカチで顔についた涙を押さえながらお父さんの顔を見ると、優しく安心したような顔をしていた。


私が笑うと笑い返してくれる。


お父さんとこうやって笑い合うのは久しぶりで、少し照れくさかった。