もの凄く、嫌な予感。 ふと気づくと、 繋がれた手がいつの間にか 離れていた。 颯はあたしに背を向けたまま 何も言わない。 「颯…?」 沈黙を破ったのはあたしだった。 周りの住宅街から伝わる 夜の静寂がヤケに寂しく感じる。 颯、早く…。 早くいつもみたいに笑って…? 「…っ」 颯はあたしの方へ向き直った。 が、あたしに見せた表情は、 なんとも言えなかった。 下唇を噛み締め、 必死で堪えているような表情。 あたしとは目線さえも合わさない。