何だろう、これ。
「…ん」
…暖かくて、彼奴の匂いがする。
「あげは。もう、言うな」
息を切らしながら
常より低い声があたしの胸で響く。
その声は胸の奥へ奥へと落ちる。
何だか、落ち着く。
あたしの銃はいつの間にか
勢いを失い、停止した。
あたしの口から手が放された。
「…はる、と?」
「自分を傷つけるだけだ。だからもう何も言うな。いいな?」
ポンとあたしの頭に置かれた手は
世界中の全ての優しさを
知っているような気がした。
あたしはこくんと頷く。
「えっと…颯、だっけ?」
「ああ。お前は陽翔だろ?色々聞いてる」
たぶん陽翔の元カノ、
颯の今カノからだろう。

