【海翔side】

 ~次の日の昼休み~

 昨日、希一に、あぁ言われて俺は覚悟を決めた。
 今日、奈緒を俺の家に来させる事を!

「~でねっ! 海翔! …海翔。 …かーいーとー!!」
「あっ! わりぃ…。」

 俺は、奈緒を家に連れて行く事しか考えてなくて奈緒の話を全然聞いてなかった。

「もう、何で聞いてないの~」

 と言って奈緒は頬を膨らませた。
 やべぇ…。超可愛いんですけど。

「だから、わりぃって…」
「謝る気なんでしょ~。まぁいいかっ!」

 何てマイペースって言うか、前向きって言うか。

「で、何を話してたんだよ」
「あのねっ! 今日、海翔と一緒に出掛けたいなぁ…って…。ダメ?」

 そう言って上目使いで言い寄ってきた。
 ってかさぁ。彼女に上目使いで言い寄って来られたら普通「ダメ」なんて言えると思うか?

「ねぇ。聞いてる?」
「…あぁ。」
「海翔と二人で放課後一緒に居たいの。」

 …。やべぇ。理性失いそう。今、ここで抱きてぇ。
 ってか、奈緒。今「一緒に居たい」って言った!!
 これチャンスじゃね?

「あぁ。良いぜ。」

 って言ったら、奈緒のヤツ目キラキラ輝かせた。

「ホント!?」
「あぁ。」
「ヤッタ! じゃあ、どこ行く?」

 奈緒は、もうハッピーオーラを出していた。
 デートで、こんなに喜ぶなら学校サボって1日中、奈緒を一人占めしたって良いんだぜ。

「…俺ん家、来いよ」
「えっ…」

 そう言って一瞬、奈緒が止まった。
 そりゃそうだろうな。

「…うん。行く」

 えっ…。今「行く」って…。
 おい、マジかよ。俺、今日、運良いんじゃね!

「マジ?」
「うん。海翔ん家、行きたい」

 よっしゃ! これで奈緒は完全に俺のもん。
 家に着いたら愛しまくってやるよ!