「キャハ、奈緒ちゃん達に見られちゃった! 恥ずかしいー。」
「奈緒! これには訳があってな…」
「いいよ。言い訳なんて…キス…してたのは事実だし…」

 奈緒の言葉1つ1つが胸に突き刺さる。

「ねぇー。奈緒ちゃん、うちら2人きりになりたいんだけどー」
「はぁ? 誰がお前何かと…」
「はいっ! 今去りますので…ごゆっくり…」

 ダッダッダッ。

「奈緒ちゃん!」

 奈緒の後を希一が追いかけた。

「てめぇ!!!」

 俺は殴りかかった。

「殴っていいのー? 奈緒ちゃんに危害加えるよー?」

 ピタッ。

「チッ。もう俺らに関わるんじゃねぇ。失せろ。ブス」
「ひどーい。でもでも、海翔君は直ぐにうちを好きになるから!」
「勝手に言ってろ」

 はぁ…。奈緒にどうやって誤解を解くかだな。聞いてくれっかな、俺の話…。
 
 『俺には奈緒しかいねぇ。奈緒じゃなくちゃダメなんだ』と本音を言うか…?
 本人前で言えるか? こんな事。

 はぁ…。しばらく作戦練るか。