「一緒に暮らしていこう」


そんなキザなセリフ言う間もなく。
恋人達が憧れるラブリーな同棲生活とは逆の、夢も希望もない生活が始まった。



まずは証拠集め。
彼女が寝てる隙に携帯のデータをSDカードに保存。
そのついでに自宅の鍵を拝借。

次の日から彼女の家に通いつめて二週間、毎日欠かさず12時きっかりに紙切れがポストに入れられた。


それと同時にメールも来ていた。





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TO凌

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今日は遅かったね
早く上がったのに
どこ行ってたの?

僕だけのシンデレラ
でしょ
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「きもっ」





このメール以来、リモートメールを止め、彼女には犯人のアドレスを拒否設定してもらい、変わりに俺がメールを受ける ことにした。

気持ち悪いが堪えるしかない…


そして、見たくはないSDの中身には意外な事実があった。


それは

犯人がイケメンだったこと…ではなく

付き合ってすら居なかった事。