井上真緒編

真緒は、酒を飲みながらテレビを見ていた。チアキは何度か、話しかけてきたが、それほど会話は続けなかった。いつも通りニュースを見てから、真緒は、眠った。朝起きると、チアキがいつもとは違って起きていた。そして、真緒に、出ていくと言ったのだ。真緒は、涙が出てきたが、チアキは、そんなにうれしいの、やはり私はとことん嫌われ役のようねといった。真緒は、会社に欠勤の電話を入れた。。しかし、不思議だったのは、もう次のターゲットが決まっていたことだ。それだったら、もう少し早くでてってくれればよかったのだが、今更そんなことをいってもしょうがない。とにかく出ていってるんだから、こんなにありがたい話はない。いつ調べたのか、相手のスケジュールをなぜ知っているのかは、完全に謎だ。それでも、行く場所も、時間も決まっているのだ。そこに、真緒はチアキとタクシーで行った。もちろん、チアキは、運転手には見えないだろう。不思議だったのは、昼間なのにチアキがいるのが、真緒には見えたことだった。ただ、それはなぜなのかは聞かなかった。そして、チアキが指定した場所に着いた。人通りも多くて、いったいここでどうしようというのかを真緒は、チアキに聞いた。そしたら、チアキは、今からくる男にキスをするように言った。もちろん、相手は、真緒があったことのない男だというのだ。そしたら、私はその男に乗り移るからと言うのだ。しかし、なんとも、後味の悪い話だと思った。勝手に他に乗り移るものだと真緒は思っていたので、不幸のバトンを渡すような行為を、自分でやらなくてはいけないというのは、納得はできなかった。ただ、方法はそれしかないというのだ。本当かどうかも疑わしかったが、確実だというので、しょうがないからやることにはした。