井上真緒編

そういって小倉は、真緒に指輪の入った箱を渡した。それを真緒は自分で、指にはめた。そして、その後も、長い間はなしを2人でした。別れることを決め手からのほうが、自然と話ができたのが、残念だった。これが、チアキの力だったんだろうか。日が暮れて、2人は別れた。これで2人の婚約は解消されたのだ。真緒は、不思議な感じだった。そもそもどこまで小倉を好きだったのか、結婚するほど愛していたのか分からなかった。もしかしたら、そこが結婚するのと別れるのとの境界線だったのかもしれない。それでも結婚を一度は決めたのだ。もちろん、それを駄目にしたのは、チアキだったのかもしれないが、エリが言うように、小倉が二枚目で、未練だけが、あっちへこっちへ迷っていたようにも感じる。自分はチアキを追い出したら、新しい恋をすればいいと思った。今は、きっと、そっちのほうが、自分にあった相手が見つかるような気がした。家に帰る前に、スーパーでいつも通りの買い物と、惣菜を買って帰った。自分で作るのが、もうだんだんきつくなっていた。家に帰って、明かりをつけるとチアキがやはり浮かび上がってきた。もちろん、チアキは、更にやつれたように見えた。