そういった会話をチリ子と交わしたからかどうか分からないが、小倉から電話があった。真緒は、休日は、携帯の電源を切っていたので、すっぽかしたことの話だった。仕事が終わってから、話そうということになった。真緒は、いつもの現場に出かけていった。もう今週で終わる物件だ。壁紙張りと、ニスを塗る職人がいた。壁紙が張り終われば、残されたところの電気をつければだいたい終わりだった。下の階からやっていっていたが、後2階部分しか残っていなかった。仕事が終わって、会社に帰ってくると、待ち合わせの場所にまだ小倉はいなかった。真緒は、少し書類の整理をして、降りていくと小倉はいた。本当に、会うのが久しぶりに感じた。実際、最近は会う回数がめっきり減っただけでなく、この間は、真緒がすっぽかした。真緒はもう別れることを決めていたからか、何となく落ち着いているような感じがした。


