Under Tamiflu 灰色の天使

「で・・その人って?」


どうも調子が狂う。
俺は彼女を連れて、
違うフロアへ降りて来た。

診療時間でもないから、
多少暗いがここなら
誰も来ないし落ち着ける。

金も使わずに紙コップの
自動販売機から
暖かいミルクティーを出して
彼女に手渡した。

何か飲んで落ち着かないと
いけないのは俺の方だ。

美味くないのを知っている
から嫌々、ブレンドを選んで
出し、オレンジ色の硬めの
待合のソファに座った。


「天界にもミスがあるってこった。
・・・・・・連絡ミスとか?」


しまった。間が長すぎたか。

でもこうやって改めて
考えてみると、何も俺1人の
せいじゃないんだよな。



「まァ・・それが元で彼女の行動を
把握出来なかった。そして、
予定外のその"女"を
連れて行かなきゃならなくなったんだ。」

「・・・彼女は?」

「いや・・病気じゃねえ。自ら
絞殺される事を望んじまったのさ。
天界のオエライ方々は最初、
彼女の意思を尊重しようした。」


くだらねェ、威厳とやらの為に。


これは____

麻美には話せない内情だ。


『"カミサマ"は
いつでも貴方を見ておいでです。』


なーんて説いちゃってる、
神父の言葉も大嘘になっちまうだろ?

だが相手は女・・後の予定が
キッチリ決ってた事情もあり

フロチャートを作ってみれば
残る選択肢はヒトツだったんだ。