その花は艶々と美しく
咲いていた・・まだ新しい。

俺の死因は肺がんであって、
けして此処で死んだ訳じゃない。

俺がこの場所に
"気持ち"を残していると
解ってくれてる女がいるんだ。

・・・このお役目に着いてから
色んな女と知り合ってきた。

奈津子も麻美もそうだ。

俺は・・女達に昔の自分を重ねて
チクチクと胸を痛めてるのかもな。

だから何気に此処に来てしまう。
そして地下のお前に
癒しを求めて会いに行く。

・・・・・どうもオカシイ。

きっとカミサマの奴は、
多少のイロを着けて
俺に魂を返したに違いない。

生前の俺はもっと
無慈悲で冷たい・・お前を泣かせて
ばかりの悪い男だったよな?

ああ、そうだとも。少なくとも、
こんなヤワじゃなかったさ。

ナマのお前を見たいなんて・・ああ。
そんな馬鹿な事を思い浮かべて・・
気が着いた。・・何で俺、
反対方向に向かってンだ??? 

しかも足早に。