間中君も席に座る。

沈黙が続き、なんだか居心地が悪い。

「……あのさ」


「う、うん」


「八城さん、さ…」

間中君が何か言おうとした時、ガラッと勢いよく教室の扉が開いた。
そこには息を切らした亜梨紗の姿が。


「つばさー」

亜梨紗が私めがけて小走りに近寄ってきて、抱きつかれた。

「ごめんね寝坊しちゃって‼」


「ああ、気にしてないよ。それより亜梨紗、走ってきたの?髪ぐしゃぐしゃ」

私は笑いながら亜梨紗の髪を軽くとかす。

「嘘‼」

亜梨紗は慌てて手ぐしで髪を整えた。


「あ、間中君おはよー」


「…おはよう」

間中君は少しぎこちない笑顔で返していた。