《あれ…京平さん?》

京平さんはリビングから出て行ってしまった。

「お兄ちゃん?どこ行くの?」


亜梨紗がそう問いかけるけれど、京平さんは答えずに去っていって…

「これ見ようぜ」

戻ってきた京平さんの手には、一枚のDVDが…


「へ…」


「お兄ちゃんどうしたの、いきなり…」


「いや…ちょっとな…」

京平さんと一瞬目が合ったけれど、すぐにそらされてしまった。



京平さんはDVDレコーダーを起動させて、DVDを再生した。

タイトル画面を見て、硬直する。


「これは…」


「お兄ちゃん…これ…ホラー…?」


「ああ。おっと!!逃げようとするなよ。逃げたら罰金だからな」

私が立ち上がろうとしたのを見て、京平さんはそう言った。

私は唇を噛み締めて、大人しく座り直す。


そんな私を見て、満足した京平さんは再生ボタンをゆっくり押した。