仁美が靴を履いていると亜梨紗とつばさがリビングから顔を出した。


「え‼仁美さんもう帰っちゃうの!?」

亜梨紗が悲しげな顔をする。


「ごめんねー私も亜梨紗ちゃんともっと話したかったんだけど…」


「そんなぁ…」


「まぁ、また来るから‼明日は向こうに戻るけど…」


「うう…」

亜梨紗は唇をへの字に曲げた。


仁美は立ち上がり、

「じゃあまたね、京平」


「ああ」


「亜梨紗ちゃんもまたね‼あっ、つばさちゃんも‼」


「…はい」

つばさは笑顔を浮かべた。


けれどその笑顔はなんだかぎこちない…



「…京平、時間作れたら帰ってくるから。その時話しよう」


「わかった」


「…急がないと申し訳ないから…ね…」


「え?」

仁美の言葉が聞き取れなくて聞き返すけど、仁美は首を振って


「じゃあまた‼」

と、家を出て行ってしまった。