「ただいまー」


「た…だいま…」

亜梨紗は息を切らしている。


「おかえりー…って亜梨紗、何でそんなに息切らしてるのよ。」


「お兄ちゃんが走るから!!お兄ちゃんってば速いんだもん!!」

亜梨紗は靴を脱いで二階に上がっていった。


ちょっと膨れっ面で…

「あらら。亜梨紗ったらご機嫌ななめ」


「はぁ…」

俺はがっくり肩を落としながらリビングに向かった。


壁にかけてあるカレンダーに目を向けると四月のある日に赤い丸がつけられていた。