気づくと、亜梨紗は一人だった。


「あれ?つばさは?」


「もう帰ったよー

それよりお兄ちゃん…つばさに丁寧に話さなくていい、なんて言ったの?」


亜梨紗がニヤニヤしている。

「別に深い意味は無いから。

ただ単に敬語で話されることに違和感があっただけ。」

ふーん、とニヤニヤしたまま亜梨紗が言った。


「そういえば、つばさ少し髪伸びてたな」


「え、そう?毎日一緒にいるからわかんないなぁ…」

そんなに一緒にいるのか…


下手したら、俺と亜梨紗が一緒にいる時間より、つばさと亜梨紗の時間の方が長いんじゃあ…


そう思うと何だか悔しい。