桜が舞い散る校庭で、私は一人で立っていた。


目線の先には、皆が卒業証書を持ち、泣きながら抱き合っている姿。


男子は目を潤ませて、ふざけあっていた。


隅っこに目を向ければ、最後のチャンスだからか、告白しているらしき人影がチラホラある。


「……」

桜を見上げていると

「つばさぁ!!」

亜梨紗が後ろから抱きついてきた。


「皆とお別れだよぅ…

だけどつばさとはまた一緒だね!!

よかったぁ…」


「亜梨紗、もう終わったの?」

亜梨紗はさっきまで多数の男子から告白されていたのだ。


多分、全員振ったんだろうけど。


そんなことを思っていると、後輩の男の子達と、女の子達が私たちの前で列を成していた。