―――俺には、受験を控えた妹がいる。



「寒っ…」

正月も過ぎて、ますます寒くなった空気の中、俺はマフラーを巻いて大学を出た。



「京平!!このあと文学部の子達と合コンあるけどお前どうする!?


お前来ると女の子集まるんだけど!!」


「あ〜…悪い、パス!!

また誘って!!」


「なんか急用!?」


「妹が受験控えてるんだ!!

勉強みてやらなきゃ!!」


「ったく!!このシスコン野郎!!」


「妹の亜梨紗が可愛いのがいけないんだろ!!」


「わかったわかった!!

さっさと行けよ!!」

俺は笑いながら駅への道を急いだ。