身支度を整え、一歩ホテルの外へ出ると…… そこには、昼間とは全くの別世界が広がっていた。 雪で覆われた真っ白な道。 その脇に設えられた雪灯篭。 整然と並んだ雪灯篭には小さな蝋燭の明りが点されていて。 夕暮れて暗くなった道が、白い光に照らされて浮かび上がっていた。 それは、さながら、天国へと続く道。 「綺麗……」 「行こう、華」 わたしは、雄一に手を引かれて歩き出した。