昼食に温かいうどんを食べた後、わたし達は雄一の宿へ戻った。 駅外れの小さなビジネスホテル。 少しカビ臭いベットで、わたしは二週間振りに雄一に抱かれた。 それはわたしに、力と勇気をもたらした。 雄一の存在がわたしにとって、こんなにもかけがえのないものになっていたことを思い知らされた。 シンと静まりかえった室内で、雄一の心臓の音だけがわたしの耳に届いていた。 雪が全ての音を飲み込むのだ。 雪で囲まれたシェルターの中、世界に二人だけが取り残されたようだった。 そう……、雄一とわたしだけ。