いや、もしかしたら心の底では、ずっと抱いてきた思いなのかもしれなかった。 家を継がなければならないという重責を担う自分と、家なんか捨ててもいいと思う無責任な自分。 最後にどちらを選ぶことになるかは、きっと分かっていたのだけれど。 ――迷ったっていいでしょ、迷うくらい…… やっと見つけた幸せだもの。 やっと出会えた人なんだもの。 雄一と離れたくない…… それが今のわたしの確かな想い。