「そんな…… 雄一さんは、わたしがこの呉服問屋を継ぐことも、ちゃんと考えてくれています。 兎に角、一度会ってみて下さい」 「会っても答えは同じだ」 父はそのまま顔を背け、席を立った。 「お母様……」 あたしは縋るように母を見た。