だが、一つだけ誤算があった。 それは、雄一がそこにいたこと。 奴は、わたしの静かな大学生活をかき混ぜる異分子だった。 雄一は見た目も実際も、普通より上のかなりイケた男だった。 背も高いし、身なりもそこそこにセンス良く、話も面白かった。 多分、女性にもてるタイプだ。 男と付き合いの少ないわたしでも、容易に想像できた。 何故、そんな奴がこの地味な『歴史研究会』なんかに入会したのか。 そこのところが謎だった。