「……はい」



躊躇いがちに頷くと、顔を上に向けられて雄一の顔とまともに対峙した。


「なに? その力ない返事は?」


「だ、だって、幸せ過ぎて……、夢見たいで……」


そのまま雄一に口を塞がれた。

群集のど真ん中で、イルミネーションに照らされて。


――恥ずかしすぎるよ……


いつもは感情をあまり表に出さないクールな雄一。

彼の大胆な愛情表現にわたしは戸惑っていた。



去年の夏、大曲で見た大輪の花火がわたしの脳裏に浮かび上がった。



『あれが、俺の華……』



そう言って夜空を見上げた、雄一の横顔を思い出す。



――ずっと好き……



雄一が自分と同じ気持ちでいてくれたことが嬉しかった。