「華……」 「いつまでも、俺の花火でいて……」 頬を伝う滴は、きっと幸せの涙。 雄一の大きな手が、わたしの肩を抱き寄せた。 「華……、俺の華……」 川原を吹く風が、その声をさらって行く。 ――ヒュ~ゥ、ズッ、ドン! それは、夏の夜のあがない…… まだ夜は更けたばかりだ。