雄一に連れられて、降り立ったのは川原だった。 道々に下げられていた提灯がプツリと途切れ、明かりの届かない暗がりで、わたしは足元だけを気にしながら、そろそろと雄一の後を追った。 「ここは、観光客の来ない、地元の穴場だから」 そう言われて周りを見ると、小さくなった丸い人影があちこちに固まっていた。 「ほら、華、ここ座って」 雄一の示した先には、大きな川石が転がっていた。 「暗がりから見る花火は格別だぞ」 座った途端、腹をえぐる様な大きな地響きが沸き起こった。