「華さんは、クリーム餡蜜で良かったですよね」 洗面から戻って椅子に座ると、坂本が当然のようにわたしに確認した。 「はい」 「なんか子供の頃とは、やっぱり違うな。 わたしはたいして変わっていませんが、華さんは大きくなった。 いや、大きくなったというのは女性に対して失礼だな。 美しく成長した。 傍から見たら、わたし達も歳の離れた恋人みたいに見えるかもしれませんね」 「坂本さんとの年齢差を考えると、不倫の域ですよ」 わたしの言葉に、坂本はちょっと顔をしかめて笑った。