闇雲に泣きながら走ったわたしは、家からさほど離れていないであろう通りの真ん中で何かにぶつかった。



「きゃっ……」

と自分でも情けない悲鳴をあげて、後ろへ倒れそうになる。


――あれ?


わたしは力強い腕につかまれ、危うく尻餅をつく難を逃れたようだった。


「ご、御免なさい。わたしの不注意で。

本当に御免なさい」


恥ずかしくて顔を上げることもできず、只俯いて謝っていた。