気づくと、わたしの心には温かい血が流れ込み、冷えた身体を駆け巡っていた。 その感覚は何処か、おぞましくもあり。 わたしは自分がとても卑しい者のように感じられたのだ。 「嫌っ……」 嬉しい気持ちとは裏腹に、包み込まれた手を振りほどき、強引に雄一の身体を引き剥がした。 「華?」 「まるでわたしの我が儘みたいじゃない。 そんなのずるい……」 わたしの涙を見たからか、雄一は初めて驚いた顔をした。