雄一は、坂本の下で呉服店のいろはを学ぶことになった。



商品の仕入れから帳簿の付け方、着物の種類から、小物の名称、売れ筋商品や陳列、着物の畳み方まで。

コンビニのアルバイトとは訳が違う。

呉服店経営は、特殊な知識が要求される、専門職種なのだ。


でもその実、頻繁に店に出入りするも、わたしたちの生活はすれ違うことが多く。

こんなに近くにいる筈なのに、週に一度、顔を合わすかどうか、なんてことも。



さすがのわたしも、終に堪忍袋の緒が切れた。