一年と二ヵ月



「ありがとうございましたぁー」

「いや〜、
気に入ったのがあって良かった!

たまたま雑誌にこのお店載ってて、
絶対来ようと思ったんだよね。」


「なるほどね。
だから七海も服買ったわけか。」

えへへ、と笑う七海。

「でも、良い買い物したなぁ〜♪」

袋の中を見つめては呟く。

人って買い物だけで
こんなにもにやつけるものだったなんて
全然知らなかった。


「ちょっと早紀、まだだよ?」

―――『まだ?』

「何が?」

「まだ買うもの、残ってるよ?」


「え?これ以外に何買うの?」

クツは家にあるので良いだろうし、
カバンもいらないんじゃ…


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