「綺麗……」
「あれ、早紀にしては珍しい。」
手に取ったのはグラデーションのピンク。
裾に向かうほどに濃くなって、
かといって主張することはなく、
むしろ洗練された大人っぽさを
イメージさせる。
「いつも、黒とか紺とか
暗い色ばっか選ぶのに。」
「ピンクの服とか、
着たいって思ったことない。
やっぱあたし、似合わないかも…。」
『カワイイ系のあたし』
…………想像出来ない。
「試着してみれば?」
「うん…」
すいませーん、と店員さんを呼んで
ロンパースを試着する。
重ためだと思ってたのは、
案外軽くて着心地がいい。
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