一年と二ヵ月



「大学生は忙しいんじゃないの?

バイトとか、課題とかあるんでしょ?
大学の友達と遊ぶときだって
いっぱいあるだろうし。」


うー…と唸る七海。

裕太兄はもともと
自由気ままな性格だから、
キチッと決まった生活はしない。

そんなこと、小さい頃から
分かってるはずなのに。

それを忘れてしまうほど、
恋愛って必死になるものなのかな。

相手が自分を見ていること
自分が相手を見ていること

単純に思えることが、
大変なことに変わってしまうものなのかな


恋をしたことがないわけじゃない
彼氏だって、いたことはある。

嬉しいこと、楽しいこと、辛いこと、
それなりに経験してるつもり。

だけど、自分と他人とは
何か、どこか違うような気がして。



「大学の友達って、女かな。」

しくじった。

こんなこと言ったら
七海が反応しないわけないのに…


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