「もしもし、隼人?」 『…たまき?どうした、こんな時間に電話なんて』 電話越しに聴こえるのは、いつも通りの隼人の声。 開け放した窓から、冬の冷たい風が舞い込んでくる。 私はその風に当たりながら、まだ若干濡れている髪をドライヤーで乾かした。 「あ、明日空いてる?もし暇なら、久々に出かけたいなって思ったんだけど」 ドライヤーの音に掻き消されないように、大声で喋る。