「どこから回る?たまきちゃんが決めて」 下駄を鳴らして歩きながら、拓斗さんが言う。 どこ、って言われてもなぁ… ゔー、と唸りながらキョロキョロと出店を見回してみると、あるところで視線が止まった。 「………射的?」 私の視線を辿った拓斗さんが、不思議そうに聞き返す。 だけど、私の意識はもうそこにはなかった。