「あはは、そんなあ、評判だなんて。あんな定食、お口には合いませんよ」


───社交辞令。ウチの定食なんて食べる気ないくせに。


心の中でレイコはつぶやいた。


噂には聞いていたがナカシマ家の暮らしぶりはレイコの想像以上だった。


友愛党員の議員宿舎。外見は普通のマンションだったが、


一歩玄関の中に入った時からレイコは目を見張った。


豪華な調度品の数々。最新の家電製品、婦人の華やかな服装。


そして何よりレイコを驚かせたのがナカシマ家の贅沢な食生活だった。


───こんな時代だっていうのに、あんな贅沢な食材


一体どこから入るんだろう。


私たちは毎日売れ残った食堂の料理を食べて、


その食べ物は汚染されてる。