───なんだその目つきは、お前なんか死ねばいいんだ。


そういいながら少年はケンイチを殴りつけた。


何度も何度も殴った。


殴られて花壇の中に倒れこんだケンイチの指先に


雪の中の何か硬い物が触れた。


用務員が片付け忘れた園芸用のスコップが雪の中に埋もれていたのだ。


少年が倒れているケンイチに再度襲いかかる。


───死ね! お前なんて生きていてもしょうがないんだ!


その手には雪玉に詰めてあった石が握られていた。


少年は石を掴んだ腕をケンイチの顔めがけて振り下ろした。


ケンイチはそれを間一髪で避けると握り締めたスコップを


少年の顔めがけて思い切り突き出した。


スコップの先端部分が少年の右目に深く突き刺さりその眼球をえぐった。


真白の世界に鮮血が飛び散り、


返り血がケンイチの視界を真っ赤に染めた。