過去最大級の世界恐慌、


あらゆる国で失業者が溢れかえり


凄まじいインフレが起こった。


主要各国はブロック経済体制をとり


再び世界経済は分断された。


それは資源がなく工業製品の輸出に頼ったこの国の


経済にとって大きなダメージとなった。


主要国はこの国の高品質で高価な製品を


買い取る経済力を失ってしまった。


もうこの国の世界に対する経済的影響力はゼロに等しいと云えた。


完全失業率四十五パーセント、食料自給率五パーセント。


そして最悪のシナリオが待っていた。


経済ショックが世界を震撼させた翌年、


今度は食料パニックが発生した。 


この時より数年前に締結された世界協定により関税は撤廃されていた。


自国の工業製品を海外により安価に輸出し有利な貿易を


行う事と引き換えにこの国は食料自給へ回帰する道を捨てたのだ。