「いいぞ!ハル、離すなよ」


金髪の体に背中からにじり寄るとマスターは、


後ろ手に拘束された両手で金髪のジャケットのポケットをまさぐった。


「よーし、あったぞ!」


マスターは、金髪のポケットから手錠の鍵を取り出した。


マスターは急いで、手足の手錠を外した。


「もういいぞ、離してやれよ」


マスターは、両手を振りながらハルトにいった。


ハルトはまだ全体重をかけて金髪の首を絞め続けている。


小さく唸り声を発しながら金髪を睨みつけるその顔は、

まるで鬼の形相であった。