はしゃぎ出しそうなテンションの律が、乱暴に私の頭をなでた。


「明日は赤飯炊いて待ってなよ?早目に帰るからさ」

「…うん。じゃあ、待ってる」

「よしよし。気をつけて帰れよ?一人じゃないんだから」


ヒトリジャナインダカラ。

律の言葉を反芻した。

そっか。

私、もう私だけの身体じゃないんだ。


「じゃあ仕事がんばってね」

「おぅ、父は頑張るよ~」


…もぉ、律ったら…。