妊娠8週目に入っていた。

まだハッキリ見えないけど、私のおなかには私と律のベビちゃんがいる。

産婦人科の先生は、産むと決めたことに驚いていた。


「本当にいいんですね?」


何度も念を押されて、正直な話、少しグラつきそうになった。

もしかしたら、自分だって命を落とすかもしれない。

怖くないわけがない。

それでも産みたいって思うのは、命の尊さをよく知っていたからかもしれない。

だから、前を向いて。

現実を受け止めていく。


……つもりだった。