久しぶりの実家。

やっぱり落ち着く~。


「ホント、夢みたいね…」


ママが感慨深そうに言う。


「もうダメかもって、本気で思ったこともあったのに…」

「ご心配おかけしました」

「手術、成功してよかったわね。律くんにも感謝してる」


世界初で、リスクの高い手術。

受ける、受けない、意見が対立したのも、今では遠い過去の話だ。


「手術終わって目が覚めた時にね、律がそばにいてくれたの」

「律くんが?」

「一番ツライ時も、そばにいて支えてくれた。律がいなかったら、私、くじけてたかもしれない」

「…良い人と巡り合えたわね」


ママにそう言われて照れるけど、すごく、すごーく嬉しい。

このことは、病院に戻ったら真っ先に律に報告したい。