「伊崎くん、じゃない、伊崎先生」


律の同期のお医者さん。

伊崎“先生”が小走りに追いかけて来て、私の背中をかるく叩いた。


「いいよ、俺ついて行ってあげる」

「伊崎先生、ヒマなの?」

「うん。デートしよ」

「律に怒られちゃうよ」

「それが目的なのだ」


一応“先生”が付いてるから、病棟から出るのもOKらしい。

私のことを色んな人が気にかけてくれてる。

伊崎くん、優しいなぁ。


「じゃあ、中庭に行きたい」

「お安いご用で」


伊崎くんとプチデート。